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R18
  露愛。ただのセクハラというか強制奉仕。





薄暗い書斎に淫猥な音が響く。
書斎の椅子には部屋の主であるロシアが座し、そのすぐ前で床に膝を着くエストニアの姿があった。
「う…」
主に奉仕を命じられ仕方なくそれに従う。口にくわえ込んだ主のそれは中々満足してくれず、もう大分前からエストニアを苛んでいた。
「エストニアはまだ慣れていないんだね」
そう呟かれていきなり髪の毛を引っ張られ、無理矢理顔ごと動かされる。喉の奥まで突き下げられ、嗚咽が漏れる。苦しがったところで止めてくれるわけもなく、エストニアは主が絶頂を迎えるまで耐えるしかなかった。
「う…んんっ…」
主の息が少し荒くなった頃、どくどくと主のそれが口の中で弾ける。それエストニアは喉元で受け止め飲み込む。
湧き上がる吐き気をどうにか押さえ込み、普段の無表情を取り戻す。


「…もう下がっても構いませんか?」
跪きながら主に尋ねる。
「ああ、もう構わないよ。ご苦労様。」
ロシアは何事もなかったかのようにいつもの笑顔で答えた。

労いの言葉などいらない。
もう金輪際こんな行為を止めてほしい。
大体、何故自分なのだろう。リトアニアがお気に入りのくせに。
―そう言えたらどんなにすっきりするだろう。

「…何か言いたそうな顔だね。不満があるの?」
「いえ、別に」
わかっているくせに、とエストニアは冷めた目で見つめ答えた。

「どうして君なのか気になる?理由は特にこれといってないよ。ただ…君が一番反抗心強いから」
そんな君を従えさせるもの楽しいかなと思って、と付け加える。

エストニアは主をそのままの状態で睨んだ。

「嘘。理由はあるよ。でも今の君に教えてあげるのはいやだな。君は…態度は従順なのに、その瞳だけは正直だよね。ラトビアみたいにもっと恐がってくれた方がまだ気分いいんだけどな。」
「そんなつもりは…」
エストニアは主から目をそらして答える。
「だからだよ。」
「え?」
「そんな君が一番屈辱的だと思う事で従わせるのが僕はたまらなく楽しいんだ。」
エストニアを見下してロシアは笑った。

エストニアの表情が変わり、全身が怒りに震える。
そのエストニアの姿をロシアが認めた瞬間、エストニアの拳がロシアの肩を掠めた。突然殴りかかられたが、ロシアは即座に反応してエストニアの腕を捕らえた。
「いけないなぁ、主に反抗するなんて。」
「う…くっ、あぁっ…!」
もう片方の腕でエストニアの首を締め上げ、エストニアの顔が苦痛に歪む。
「…このまま君を押し倒して犯すのなんて簡単なんだけどね。君はリトアニアみたいに強くないから、そうなったらきっと僕を殺すか自殺するよね。」
くすくすと笑ってロシアはその腕の力を緩めた。
エストニアは座り込み、脂汗を滲ませながら本能で息を整えた。

「だからこのまま生かしといてあげるよ。」
冷徹な視線をエストニアに向け、その表情が絶望に変わるのを見ながらロシアは宣告した。
「……」
残酷な主に飼い殺される…今まで自分がいた所よりもさらに地獄が始まるのだと告げられ、エストニアはもはや何も言えなかった。
「もう下がっていいよ、エストニア。今日は本心の君が見られてちょっと楽しかったよ。」
主は笑いながら見送る。



自室までの暗く長い闇を歩きながらエストニアは自分の不甲斐なさを呪った。
本心を出したら負けだと、最初から逃れられないとわかっていたのに…。
リトアニアのように傷つきながらもその倒錯した想いを一身に受けるでもなく、ただ気まぐれに弄ばれる玩具。きっと飽きたり壊れたりすればすぐに捨てられる存在。
それが主にとっての自分なのだと痛感する。
「……っ…」
目の前に広がる絶望に涙が溢れてくる。
それでも生きていかねばならない現実。


負ける、ものか…!!


唇を血が滲むほど噛みしめながら、エストニアはその絶望を怒りにすり替え何かを決意した。



   fin.

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