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Attention!!

R15です。「Lovers」はぬるいですが性的な表現が含まれるため、年齢制限を設定しています。
15歳未満の方、および義務教育中の方の閲覧はご遠慮下さいますようお願い申し上げます(ブラウザバックでお戻り下さい)。

波立、自慰ネタです。
心身ともに15歳以上で上記に同意できる方はどうぞ。




何度目かの行為が終わり、オレはようやく乱れていた呼吸を整え直した。
「ポーランド…起きてる?」
話しかけても返事はない。耳をすませるとかすかに寝息が聞こえる。もう寝ちゃったんだ。まあそうだよね…四回もしたしなぁ。
仕方のないことなのに、なんだか取り残された気がするのはたぶんオレのせい。そんな事を思いながら、オレに背を向けて眠るポーランドを見ながらため息まじりに笑った。
…当面の問題は元気すぎる自分の身体だ。
体力はともかく、度重なる行為で疲れているのは確かなのに、まだ足りない。
理性に頑張ってもらって鎮めるのもありなんだろうと思う。でもさっきまでそういう行為をした場所で、しかも隣に恋人がいる状況では逆効果でしかないだろう。
…ホント、ポーランドが起きてたところで何て言うんだ。あれだけしておいてまだ身体が疼くだなんて、とてもじゃないけど言えない。
そんな風に考えている間も身体は熱を増していく。やりきれなくなって、オレはポーランドを起こさないようにそっと寝室を抜け出した。とりあえずシャワーでも浴びて落ち着こう。そう思ってバスルームへ向った。

お湯から水に切り替えてシャワーを浴びたけれど、まだ身体の芯は熱を持ったままだった。
「ん……」
無意識に下部に手が伸びる。
ついさっきまでの行為の鮮明な記憶は、掌に包み込まれているものの反応を助長させる。どうすれば満足できるかなんてわかりきっているし、ここまできたら止められそうにもない。オレは本能に従って自身を慰めるしかないのだと悟った。
「…っ、はぁ……っぁ…」
寝室で眠るポーランドに気付かれないように、できるだけ声を押し殺しながら、握り締めたそれを上下にゆっくり擦りあげる。辿り着けそうで辿り着けない快感をもどかしく思いながら、目を閉じて自分の掌の生み出す感覚に意識を集中させた。
「リト、何しとるん?」
ちょうど呼吸が乱れ始めた頃、突然バスルームのドアが開いた。
「…っ、ポーランド…」
見られた、と思うと全身が羞恥で熱くなるのがわかった。ポーランドと目を合わせることがどうしようもなく恥ずかしい。なのにそんな時に限って何秒も見つめ合ってしまう。
先に視線を外したのはポーランドだった。でもその視線は明らかにオレの下半身を向いている。
「どうしたん……まだやり足りないん?」
四回もしたのに…とポーランドは少し呆れたように言う。
一瞬息を飲んだだけで、ポーランドは冷静な反応をしていると思う。でもそれが余計にいたたまれなくてオレは動揺してしまう。
「ち、違うよ。そんなんじゃなくて…」
今のオレの状況が全てを如実に物語っている。どんな言い訳をしたって見苦しいことはわかっているけれど、そうせずにはいられない。
「……まぁ生理現象やし、仕方ないってのはわからんでもないけど…ひとりでするとかありえなくね?」
うろたえるオレを見て、ポーランドは苦笑しながらそう言った。
「え…だってポーランド寝てたじゃない。それに疲れてるでしょ。」
「そうかもしれんけど…オレがいない時ならともかく、せっかく泊まりに来とるのにひとりでするってオレに失礼じゃね?」
「え、失礼ってなんでそうなるの…」
本当はこの状態を一刻も早く何とかしたかったけれど、いつもの調子でオレは反射的に尋ねてしまった。
「……恋人ひとり満足させられんで、ひとりでされてたらオレの立場ないし…」
浮かない顔をしながらポーランドはオレに歩み寄った。
「あ、ごめん…。でもオレはポーランドに満足してないってわけじゃないよ…!」
「ん。それは疑ってないんやけど…」
ポーランドはそれでもまだ何か思うところがあるらしく、いぶかしげにオレを見つめる。
「じゃ、じゃあ何が不満なの…」
「……リト、何考えてしてたん?」
「なっ、…い、言えないよ、そんな事…」
「ふーん……オレに言えない相手のことでも考えてたん?」
「違うけど……」
「………」
ポーランドが視線で威圧してくる。なんで妄想にまで文句言われなきゃいけないの…。
「わかったよ、言うよ、言えばいいんでしょ。…ポーランドだよ、決まってるじゃない。さっきのポーランドとの事考えてしてました!……これでいい?」
こういう時はポーランドの要求を呑まなければ話が先に進まない。だからオレはポーランドの望む科白を言うしかなかった。半ば投げやりではあったけれど、何プレイなのこれ…。
でもそんなオレの告白にポーランドは満足してくれたみたいで、目が合うと腕をオレの首に絡ませ、いたずらっぽく笑った。そのまま体重をかけてくるのでオレはバスルームの壁に背中をつく姿勢になる。
…嫌な予感がする。
「な~、なんかオレも興奮してきたんやけど。」
「ちょっ…ポーランド!」
不意に下部に触れられ、声がうわずる。
ポーランドとの一連のやりとりでせっかく鎮まっていた身体が一瞬にして熱くなる。本能が快感を求めているせいか、身体が動かない。オレの様子を確かめながらポーランドの掌は弄ぶようにゆっくりと動く。
「や、やめ……」
「…ひとりでするとかマジありえんし!!」
だからってお前がするのもありえないんですけど…なんて言ったら余計大変な事になるから言わない。いつものことかもしれないけれど、ポーランドの思考回路がわからない。だってそんなことされたら逆らえなくなるじゃないか。きっと恥ずかしいのはオレだけで、ポーランドは何とも思っていないかもしれないけれど。
「ポー、も…やっ……」
「何…嫌なん?」
「う……嫌じゃ…ないけど……」
ポーランドはそれを聞くと、なだめるようにオレの額にキスを落とした。
……一体何をしているんだろう、オレたち。
でも明らかにポーランドに反応してるオレは、もう黙って身体を委ねるしかない。
「…っあ……ん…」
やがてもたらされるであろうその快楽を思うと、昂ぶる気持ちを抑えられない自分がいる。
行為の内容自体は同じなのに、ひとりでする時のようなむなしさはない。全ての過程に陶酔できるような、幸福感とか充足感のようなもので満たされているのがわかる。たぶんそれはひとりでは絶対に感じられない温もりのおかげで、今あるのが束の間の快楽ではないからだろう。
「リト…」
普段は見せてくれないような穏やかな表情を浮かべて、甘い声で名前を囁かれたら、もうなんかそれだけでたまらない。オレは反射的にポーランドの名前を呼ぼうとしたけれど、突然のキスがそれを遮った。混濁する意識の中で、ポーランドの掌だけがやけにリアルに感じられた。他にはもう何も考えられなくなって、オレは目を閉じるしかなかった。



   fin.


***
「リトアニアミレニアム」に投稿したもの。フリーテーマ。

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