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R18です。
  リトは米宅へ出稼ぎ中。内容的には米→立→露。





アメリカがホラー映画のせいで一人では眠れないと言うので、リトアニアはいつものように添い寝をしてやった。
大抵はリトアニアの方が早く寝てしまってアメリカに文句を言われるのだが、珍しく今日は寝付けなかったので、アメリカがよく寝ているのを確認してリトアニアはそっと庭に出てみた。

「うわぁ…!」
夜空を見上げてリトアニアは思わず感嘆の声をあげる。
ロシアの元にいた頃は時々こうした夜空を眺めることがあったが、アメリカの家に来てからは夜に外に出る事はそんなになかったので、こうして夜空を見るのは久しぶりだった。
こんなに遠くに来たのに、ロシアさんのところで見る空とあまり変わらないなぁ…。
冬の初めの冷たい空気はつい最近まで過ごしていた北の大地を彷彿とさせる。
辛い記憶の方が多いにも関わらず、リトアニアは何故だかロシアの事が忘れられない。彼の時折見せる優しさが本質なのではないかという希望が拭えないからだ。

ロシアさん酷いだけの人なら素直に憎めるのに…。

そんな事を考えながら空を眺めていると胸がしめつけられるような気がして、気が付けばリトアニアは涙を流していた。

「リトアニア!」

ふいに名前を呼ばれたので、リトアニアはそのまま声のする方向へ視線を向ける。
声の主はさっきまで寝ていたはずのアメリカだった。
「アメリカさん…」
特に何も意識せずリトアニアは名前を口にした。
近づいてきたアメリカはリトアニアの顔を見ると眉間に皺をよせた。
「リトアニア、何かあったのかい?…起きたら君がいなくてちょっと怖かったんだぞ。」
「あ…いえ…」
アメリカはリトアニアの頬にそっと触れると、突然キスをした。
「・・・っ、アメリカさん、何を…」
「リトアニア、何かあったんだろう?」
唇から少し顔を離すと、リトアニアの問いには少しも答えずにアメリカは真剣な目つきできいた。
「いえ、特に何も…」
何もかもを見透かされているような気がして、リトアニアは自然と目をそらす。
「ウソだね!だって涙の跡がある。」
アメリカは頬に触れていた手を下に滑らせ、リトアニアの顎を掬い取ってそれを確認する。
「あの、これは…」
リトアニアは狼狽の色を隠せず、口ごもる。
「昔の事でも思い出していたんだろう?」
「あ……」
リトアニアの顔色が変わるのを見て言い過ぎたと思ったのか、アメリカは「ごめん」と呟いた。


「…空を見てたんです。」
リトアニアは何の脈絡もなく話し始めた。
「空?」
「あの、ロシアさんの家で見る空とあまり変わらないなぁと思って。なんだか…」
「…帰りたいのかい?」
リトアニアの言葉を遮るようにアメリカは言った。
「いえ、そんな事は…」
社交辞令ではなく本当に申し訳なさそうな顔でリトアニアが謝るので、アメリカもなんだか悪いことをしているような気がしてきた。
「…ごめん、君を苛めたいわけじゃないんだ。ただ…今君がいなくなるなんて考えられなくて。」
「オレの方こそすみません。なんだかセンチになっちゃって…」
リトアニアがそう言うと、二人は庭のベンチに座り、黙ってしばらく空を見上げた。


真暗な夜の中で、星の瞬きだけが訪れる冬の空気をどこまでも澄み渡らせるような気がした。


アメリカは自然にリトアニアの肩へ手を回すと抱き寄せて頬にキスをした。
「え、あの…」
リトアニアが戸惑っていると、今度はその口を塞ぐ。
「ん…っ」
その勢いに翻弄され、リトアニアは結局アメリカの若い情熱のなすがままだった。
「ん…は、ぁっ…」
ようやく唇を開放されたかと思えば今度はベンチに押し倒される。
「君の心がここにはないってわかってる。でもそれでもいいんだ…今君の目の前にいられるのはオレなんだからね。」
勝ち誇ったように言うアメリカの背景には満点の星空が浮かぶ。
「……」
その幻想的な風景に、リトアニアは今何が起きているのか理解できずにいた。
それでもアメリカの手は確実にリトアニアを剥いてゆく。
「あの…んんっ…」
アメリカはリトアニアにこれ以上抵抗や戸惑いの言葉を口にさせまいとその唇を塞ぐ。
強引にされるのはキライじゃない。ロシアは尋常じゃないくらい乱暴にリトアニアを扱ったからこれくらいが丁度いいとリトアニアは思った。
何より肌寒い夜空の下、リトアニアを抱くアメリカの体はとても温かかった。
着ていた服を脱がされ、慣れた様子でリトアニアに触れるその手は、やがてリトアニアにも充分な熱を持たせた。
アメリカは手際よくその行為を進行させていく。
リトアニアが無意識にアメリカに応え、舌を絡めてきた頃、リトアニアを抱きしめていた腕の片方はリトアニアの熱を確認するために下腹部に触れる。
「…っあ、…はっ…ん…」
リトアニアが粗い吐息を漏らすのを聞いて、アメリカは中に指を進めた。ゆっくりと様子を見ながら探っていったが、リトアニアは明らかに初めてではない反応を示す。
満足はさせないように調整しながら、反応の良かった場所を刺激する。
苦痛とは異なる刺激に甘ったるい声を出しながらリトアニアは思った。
アメリカは待っているのだ、自分が彼を求める声を。それまでこの状態を保つつもりなのだと。
その証拠にリトアニアが初めてではない事を察して、適度な刺激なら耐えられるその場所を過度に攻め立ててくる。けれどもその刺激だけではリトアニアが満足には至らない事も承知して。
「ん、あぁっ…も、ダメ…」
「リトアニア、どうして欲しい?言ってみてよ。」
意地悪くアメリカが言う。
「も…欲し……、ア、アメリカさ…入れ……っ…」
どうして欲しいかなんてわかっているくせに、と思いながらリトアニアは観念してその言葉を口にする。
その言葉を聞くとアメリカは満足そうに笑い、すぐにリトアニアの望みのものが与えられた。
「ふ…あ、あぁっ…」
快楽の波に飲まれていくリトアニアは星座のざわめきを耳にしながらそのまま意識を手放した。





リトアニアが目覚めたのはアメリカの部屋だった。
隣にはアメリカの姿、全裸の自分。
あれ、オレ昨夜…。
だるい下半身と自分の状況に、昨夜の出来が事夢ではない事を確信する。
オレ、なんてことを…。

「リトアニア、起きたのかい?」
不意にアメリカに声をかけられる。リトアニアは今頃羞恥心が湧き、顔を合わせられない。
「あっ、あの…オレ朝食の準備してきますね!」
そう言ってベッドから離れようとすると、腕を捕まれアメリカに引き止められる。
「ア、アメリカさん!?」
「いいじゃないか、今日は休日なんだからそんなにいそがなくても」
オレはもう少し寝るからリトアニアも寝たらどうだい?と勧めてくる。

仕方なくリトアニアもそれに従って再度ベッドに潜り込むと、アメリカは腕をリトアニアの背中に回してぎゅっと抱き寄せた。
アメリカはリトアニアのおでこに軽くキスをすると、何事もなかったかのようにそのままは寝てしまった。

始めこそその行動にドキドキしていたものの、子供のように眠るアメリカの顔を見ているとそんな自分がなんだかバカらしく思えてきて、リトアニアは小さなため息を漏らす。
特にやる事もないので、幸せそうに隣で眠るアメリカを見ながらリトアニアはその瞳を閉じることにした。


リトアニアが忘れかけていた優しいぬくもりがそこにはまだあった。



   fin.

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