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ボスの部屋の隅にある普段はほとんど使われないテーブルの上に見慣れない箱があった。
ラッピングもされていない正方形のその箱は品の良い茶色と黄緑色のストライプで、サッカーボールでも入ってるんじゃないかと思う程の大きさだ。
箱というのは何かが入っているものだというオレの思考は、それを誰かがボスへ持ってきた贈り物だという結論に結びついた。アクセサリーにしては大きすぎるし、服が入っているにしては機能的な形じゃない。オレは定番の贈り物をいくつか思い浮かべてみたがやはりどれも当てはまらず、その箱に対する妙な不信感は募るばかりだ。どう考えても大人への贈り物にしてはかなり違和感がある。それとも最初の定義が間違っていて、その箱は誰かからボスがもらったものではなくボス自身が買ってきたものなんだろうか。
「ボス、あの箱何なんだぁ?」
無駄口をたたくと殴られるなんて事も忘れて不覚にもそんな疑問を口にしていた。
ボスは視線だけをこちらに向けていつものようにオレを睨んだ後、「びっくり箱だ」と呟いた。
ますます意味がわからない。
びっくり箱というのは実際に見たことはないが、小さい頃アニメなんかでよく見た蓋を開けるとバネの先に取り付けられた人形なんかが飛び出してくるあれの事なんだろうか。それともまたボスにからかわれているだけなのか。これがボス渾身のボケだったなら、突っ込むタイミングを逃してしまったオレはこれから殴られる運命にあるのか…。
オレにしては珍しく考え過ぎなのかもしれない。そう思い直してボスに「これ開けてみてもいいかぁ?」とたずねる。
「構わないが、開けたら責任持って食べろよ」
「食べ物が入ってるのかぁ?」
どういう事だ、びっくり箱じゃなかったのか?
「逃げてもいいように外で開けろ」
ボスが混乱するオレに追い討ちをかける。
中の食材は生き物なのか?箱の素材は紙で、蓋こそされているがその上から紐でくくられたりしているわけじゃない。暴れたら今すぐにでも箱から逃げる事ができそうだ。
「食える生き物が入ってるびっくり箱なのかぁ?きいた事ねぇぞぉ…」
鳥や四足の獣ならいいが、蛇や蜘蛛の類だったらどうしたものか。
「てめぇは本当にどうしようもねぇドカスだな。開けねーって選択肢もあんだぞ?」
箱を目の前にして悶々とするオレを遠巻きに見ていたボスは大きなため息をついてそう言った。
「何が入ってんだぁボス、知ってるんだろ?教えてくれよぉ」
「そんなに知りてぇならてめぇで開けて見りゃいいだろ。」
これは、心理戦だ。きっと開けてしまったらがっかりするかもしれない。この箱がびっくり箱だと知らされてるオレが箱の中身を知るまでドキドキするのが目的なのかもしれない。
ボスはオレを試しているんだろうか。それともいつものタチの悪い遊びの延長なのか。
オレの性格を知っていて、オレが悶えたり驚く姿を見たいだけなのか。もしそうなら、さっさと箱を開けてしまえばいい。ちょっと驚いたって死ぬわけではないだろうし、まぁ毒さえなければ食べられる。どっちにしろ殴られそうな気もするけれど。
「…中庭で開けてくるぜぇ!」
善は急げだ。オレは箱を抱えてザンザスの部屋を後にした。
「フン、カスが。」
ボスが窓辺に立ってそう吐き捨てるのがかすかに聞こえた。
箱の中には砂糖漬けにされたバラの花びらの砂糖菓子――いわゆるクリスタライズド・ローズがぎっしり詰まっていた。外で開けたからいくつか逃げた。
fin.
***
オチとかなくてすみません…。
ボスは二人でいる時は鮫のいろんな顔が見たくてちょっと嘘をついたりします。
ラッピングもされていない正方形のその箱は品の良い茶色と黄緑色のストライプで、サッカーボールでも入ってるんじゃないかと思う程の大きさだ。
箱というのは何かが入っているものだというオレの思考は、それを誰かがボスへ持ってきた贈り物だという結論に結びついた。アクセサリーにしては大きすぎるし、服が入っているにしては機能的な形じゃない。オレは定番の贈り物をいくつか思い浮かべてみたがやはりどれも当てはまらず、その箱に対する妙な不信感は募るばかりだ。どう考えても大人への贈り物にしてはかなり違和感がある。それとも最初の定義が間違っていて、その箱は誰かからボスがもらったものではなくボス自身が買ってきたものなんだろうか。
「ボス、あの箱何なんだぁ?」
無駄口をたたくと殴られるなんて事も忘れて不覚にもそんな疑問を口にしていた。
ボスは視線だけをこちらに向けていつものようにオレを睨んだ後、「びっくり箱だ」と呟いた。
ますます意味がわからない。
びっくり箱というのは実際に見たことはないが、小さい頃アニメなんかでよく見た蓋を開けるとバネの先に取り付けられた人形なんかが飛び出してくるあれの事なんだろうか。それともまたボスにからかわれているだけなのか。これがボス渾身のボケだったなら、突っ込むタイミングを逃してしまったオレはこれから殴られる運命にあるのか…。
オレにしては珍しく考え過ぎなのかもしれない。そう思い直してボスに「これ開けてみてもいいかぁ?」とたずねる。
「構わないが、開けたら責任持って食べろよ」
「食べ物が入ってるのかぁ?」
どういう事だ、びっくり箱じゃなかったのか?
「逃げてもいいように外で開けろ」
ボスが混乱するオレに追い討ちをかける。
中の食材は生き物なのか?箱の素材は紙で、蓋こそされているがその上から紐でくくられたりしているわけじゃない。暴れたら今すぐにでも箱から逃げる事ができそうだ。
「食える生き物が入ってるびっくり箱なのかぁ?きいた事ねぇぞぉ…」
鳥や四足の獣ならいいが、蛇や蜘蛛の類だったらどうしたものか。
「てめぇは本当にどうしようもねぇドカスだな。開けねーって選択肢もあんだぞ?」
箱を目の前にして悶々とするオレを遠巻きに見ていたボスは大きなため息をついてそう言った。
「何が入ってんだぁボス、知ってるんだろ?教えてくれよぉ」
「そんなに知りてぇならてめぇで開けて見りゃいいだろ。」
これは、心理戦だ。きっと開けてしまったらがっかりするかもしれない。この箱がびっくり箱だと知らされてるオレが箱の中身を知るまでドキドキするのが目的なのかもしれない。
ボスはオレを試しているんだろうか。それともいつものタチの悪い遊びの延長なのか。
オレの性格を知っていて、オレが悶えたり驚く姿を見たいだけなのか。もしそうなら、さっさと箱を開けてしまえばいい。ちょっと驚いたって死ぬわけではないだろうし、まぁ毒さえなければ食べられる。どっちにしろ殴られそうな気もするけれど。
「…中庭で開けてくるぜぇ!」
善は急げだ。オレは箱を抱えてザンザスの部屋を後にした。
「フン、カスが。」
ボスが窓辺に立ってそう吐き捨てるのがかすかに聞こえた。
箱の中には砂糖漬けにされたバラの花びらの砂糖菓子――いわゆるクリスタライズド・ローズがぎっしり詰まっていた。外で開けたからいくつか逃げた。
fin.
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オチとかなくてすみません…。
ボスは二人でいる時は鮫のいろんな顔が見たくてちょっと嘘をついたりします。
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