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※XSで鮫誕話のつもりですが、ほぼベルとフランしか出てきませんすみません。


情報通りにターゲットが現れなかったことを受けて、ミラノで任務にあたっていたベルフェゴールとフランは追跡調査に追われることになった。
「ベルセンパーイ、思ったんですけどー、ミーたちの動きバレてるっぽくないですかー?」
「それを調べるのがてめーの役目だろーが!!」
実質任務遂行の指揮をとるベルフェゴールは、フランにナイフを投げることも忘れて予定が狂ったことにイライラしながら滞在先のホテルに引きこもって情報収集に勤しんでいる。対照的に、補佐としてついてきただけのフランは特に何をするでもなく買い込んだスナック菓子をつまみながらソファーに寝転がってテレビを見ていた。

正直、フランは面白いと思っていた。惰性で生きているように見えるベルフェゴールが意外と仕事には真面目で完璧主義であったためである。
任務をこなす事自体は、下手をすればこちらの命が危ない事とやかましい副官に怒鳴られた挙句口数少ないザンザスに消される心配があったため、完璧に遂行する必要があった。隊員が恐れているのはどちらかといえば後者のザンザスである。
それに今回の任務はこちらのミスではなく提供された情報に問題があった。緊急性はないことを踏まえれば、一旦アジトに戻って作戦を立て直しても誰にも文句は言われない内容である。加えてターゲットを殺す前に聞き出さなければならない情報もあるため、殺人に快楽を見出すベルフェゴールが完遂にこだわるさまは、フランにとってザンザスが子猫に餌をやる姿を目撃したような物珍しさがあった。

「おいカエル、今からアジトのスクアーロに連絡入れるからお前オレの後ろでこれ歌ってろ。」
「歌詞?ミーはポーランド語なんて読めませんけどー」
渡されたメモ用紙を見ながら不満をこぼすフランもベルフェゴールの意図はわかっていた。レベルの低い方法だと思いつつ、相手が察してくれなければ意味をなさないのだからこれが妥当なのかと考える。
「ポーランド語って解ってんじゃねぇか。嘘付くんじゃねーよ、このクソガエル!…一回だけ歌ってやるから覚えろ。歌うのは一番だけでいい」
だったらミーが電話してセンパイが歌った方が早くないですかー?とフランは言いかけてやめた。ベルフェゴールをからかうのは楽しいが、今はそれに時間をかけても任務から解放されるまでの時間が延びるだけだと判断したためだ。

「スクアーロ?王子だけど、連絡いってるだろ?は?しくじってねーよ。情報が違ってたんだよ。うん、追跡中。でさー、国外に出るっぽいんだよね。あー…うん、そう。めんどうな事になりそーだしお前も来てくんね?カエルが働かねーんだよ。情報聞き出すんならオレが殺さねーうちにやってくれると嬉しーんだけど。王子的にはかなり頭きてんだよね。顔も見ないうちにとどめ刺すかもしんない。」
スクアーロを指名しての応援要請は、自分の性質をよく知り、あらゆる角度から確実にサポートしてくれる実力を買っているため。お互いの人格に問題があるかどうかはともかく、ビジネスライクにいけばヴァリアーの副官は頼れる存在だった。もちろんルッスーリアやレヴィ・ア・タンの実力もベルフェゴールは評価している。
暗殺部隊の任務は武力だけでは務まらない。八つの頃から生活を共にしている幹部たちはベルフェゴールにとって認めたくはないが家族のようなもの。日頃どんなにいがみ合っていても、外部の人間よりは信頼していた。少なくとも背中を預けられる程度には。
その中でもスクアーロは武器の性質も似ていて、中距離支援のベルフェゴールと相性が良かった。
後輩のカエルは最低限しか働かない。よく言えば、相手の実力を最大限に評価しての行動。
そんな後輩のお守りをしながらの任務が多い怠惰を冠する王子も、本来ならばその名の通りだらけていたかった。ならばこんな任務を割り振った副官に自分も少しは甘えようという些細な気持ちが芽生えたのは仕方のないことなのかもしれない。


「ベルか?」
「そうだぁ、下っ端どもが言ってた通りだったなぁボスさん。ターゲットの情報屋、やっぱりボンゴレを警戒してるらしいぜぇ?嘘の情報掴まされてたみてぇだしなぁ。」
スクアーロが横目で見る主は相変わらず昼間から酒を煽ってだらけている。最近は任務に明け暮れて一緒にいる時間が減ったな、と思っていたこともあり、その酒量についてあまり強くは言えなかった。
「てめえがガキ共の尻拭いに行くのか?」
それはオレを置いてまたどこかへ行くのか?という言葉に都合良く変換できるスクアーロにとって気恥ずかしいものに聞こえた。
「尻拭いはごめんだぁ。そこはベルたちにやらせる。…でもまぁ久々に国外に出るのは悪くねぇなぁ。ボスも一緒にどうだぁ?ここ二ヶ月引きこもりすぎだろぉ?」
ザンザスは視線だけをスクアーロに向けたが、どうせろくな事を考えていないことを見通していたため、特に期待せずに「場所はどこだ」とだけきいた。
「ベルのやつは場所は言ってなかったが、ポーランドで間違いねぇ。フランが国歌を大声で歌ってたからなぁ。」
イタリアからポーランドへ。そんなフレーズを思い出しながら得意気に答える。
「……ボンゴレのポズナン支部に連絡しろ。」
「ポズナン?ワルシャワじゃねぇのかぁ?」
ベルフェゴールはポーランド国内のどことは言わなかったが、おそらく首都のワルシャワであろうと予想していたスクアーロに、「ドカスが。情報漏れてるかもしれねぇならすぐにベルたちと合流は無理だろうが」とザンザスは諭す。
「あー…だなぁ。」
少し浮かれていたかもしれない、と初歩的なミスを反省しつつ、スクアーロは勝手にザンザスの分まで旅支度を始めた。
お互いに一緒にいるために自分から妥協してやったと思うスクアーロと、彼に悟られないように妥協するザンザス。十年以上経っても変わることのない性格に少しうんざりしながら、ザンザスは今日の日付を確認するのだった。


「まずったなー…やっぱオレらでどうにかした方が良かったかもしんねー」
電話を終えたベルフェゴールはばつが悪そうにカレンダーを見る。
「何か問題でもあるんですかー?めんどくさいから隊長召喚するってセンパイが言ったのに」
歌い終わったフランはテーブルに並べられたスナック菓子を前に「次は甘いのがいいですかねー」と独り言を言っている。
「もうすぐスクアーロの誕生日じゃん。そんな時にこっちに呼んだらボスの機嫌誰がとるんだよ?」
その言葉の意味をたっぷり2秒は考えて、事の重大さを察したフランは「あー…ボス怒りますねー」とベルフェゴールを振り返る。
「さっさと終わらせて帰んないと誕生日過ぎちまうかも。」
「でもボスも来ると思いますよ?」
「は?」
「だってボスは隊長のことなんだかんだいって手元に置きたがるじゃないですか。隊長がミーたちと合流するなら任務とは関係なくボスもついてくるんじゃないですかー?まぁ表向きは隊長が適当な理由をつけてボスを無理矢理連れてきたって形をとると思いますけど。」
焦り始めたベルフェゴールを見るのも楽しいかと思ったが、当初考えていたよりめんどくさい事になりそうなので珍しくフォローしてみる。
「あり得るな…」
「ミーたちも隊長にプレゼント用意しといた方がよくないですかー?隊長の誕生日こっちで祝うことになりかねないんですし」
「…だな」
もはや任務よりも、来ると決めつけたザンザスの機嫌をとる方に重きを置き始めたヴァリアーの嵐と霧の幹部は珍しく同意して視線を合わせた。


とにかく任務に早くケリをつけてスクアーロをボスから極力引き離さないようにしょう、という一点において合意したベルフェゴールとフランの仕事は早かった。
フランがいつになく協力的だったせいもあるが、ベルフェゴールがキレることなくターゲットから情報を聞き出す自制が保てたのも一重にザンザスの存在があったためだった。
隠語を用いて所在地をヴァリアー本部に連絡した際に、二人はザンザスとスクアーロが昨夜ポーランド入りしていた事を知った。
「もう終わったぜ」
何ごともなかったかのようにベルフェゴールの報告を受けたスクアーロはそうかぁとだけ答えてポズナン支部で落ち合う旨を告げた。
穏やかにスクアーロの誕生日を迎えたい一心でヴァリアークオリティーを発揮したベルフェゴールとフランだったが、それはスクアーロには届いてなかった。それ自体は問題ではないが、合流して任務の報告をしたところですぐに帰れるわけもなく、かえって四人でいる事の方が面倒だったかもしれないと内心思っていた。

「ベルセンパイ、どうしますー?」
「あん?何がだよ」
「隊長へのプレゼントですよ。用意しないんですかー?」
「一応用意はしてあんだけどな。アジトにあるし…ここでも何か用意しとくか。」
二人は早々にポズナン入りしたが、スクアーロとザンザスはボンゴレ関連機関にはいなかった。どうやら昨晩は市内の高級ホテルに泊まったらしい。
「何がいいですかね。せっかくだからこのへんの名物にでもします?」
「めんどくせー、酒とかでいんじゃね?ボスたちとの待ち合わせまでにまだ時間あるし、荷物ボンゴレの支部に置いたらちょっと出かけようぜ。」
「…ミーもですかぁ?っていうかいつの間にベルセンパイと一緒に買うことになってるんですかー?」
…まぁいいですけどー、とベルフェゴールへの不満を連ねつつもフランは財布を気にするふりをして、どうせベルセンパイ現金持ってないですもんね、と遠回しに毒づいた。

夕方に合流したザンザスは機嫌が良かった。
誕生日を明日に控えたスクアーロに言われるまま、四人は夕食にポーランド料理を食べに行く事になった。
ポーランド料理は美味しいとベルフェゴールは思っている。イギリスに比べればはずれは皆無に等しいし、少し値の張るレストランへ行けば日本で言う味噌汁のような定番の家庭料理であるジュレーックの味も格段に良くなる。
他国の支配を長い間受けていた土地は文化とともに食材やそれに伴う料理の種類も自然と増える。加えて北国はシンプルな味付けの料理や保存のために発酵食品を取り入れたものが多いが、ポーランドの郷土料理はそういったものがいい具合に洗練されているとベルフェゴールは感じていた。
ルッスーリアの手料理によって育ったベルフェゴールやヴァリアー幹部は無駄に舌が肥えている。御曹司であるザンザスも例に漏れない美食家である。

やけにテンションの高いスクアーロが、「たまにはそのへんのレストランに適当に入ってみるのもいいだろぉ!?」と案内したレストランはそんなにランクは高くない。
いつもなら肉持ってこい!と怒鳴りながら隣の鮫にグラスを投げたりしていてもおかしくない状況なのに、目の前の主は特に不満も言わずビゴスを食している。ほぼ野菜で構成されているその料理をベルフェゴールも口に運びながら、スクアーロにグチをこぼす形で任務の詳細を報告した。

「ボスご機嫌ですねー、昨晩は隊長だいぶボスを甘やかしたんでしょうねー。」
ボスが肉以外のものを食べるのってミー初めて見ましたーとフランは隣に座るベルフェゴールに耳打ちする。
「ボス、メインは鴨でよかったかぁ?」と目の前でいちゃつきつつある上司に対する挑発。出番のなかったスクアーロは、結果だけ見ればボスとただ旅行に来たも同然である。明らかに二人に聞こえるように言った後輩の度胸をベルフェゴールは褒めてやりたい気持ちになったが、そうだな、と同意する程度にとどめた。

「なぁ隊長、明日イタリアに帰るんだよな?」
キスをしたり抱き合ったりと、あからさまにいちゃついているわけではない。しかしながら、自分たちの世界を築きつつある彼らがじきにそうなる可能性もゼロではない。ザンザスは気にしないだろうが、さすがに人目のあるレストランではいちゃつくのは限度があるように思われた。
盛り上がったら止められる自信がないので、釘をさす意味合いも兼ねてベルフェゴールは明日の予定をたずねたのだ。
「そうだぁ!飛行機の手配はもうしてある。夕方にはアジトに着くぞぉ」
「……了解!」
支払いオレがするから先に帰るぜ?とベルフェゴールはカードをちらつかせながら返事も待たずに席を立った。フランが無言でその後に続く。
「…何だぁ!?まだ食事の途中だろーがぁ!」
「オレら昼に結構食べたからさ、もうお腹いっぱいなんだよね。少し遊んで帰りたいし…メインは二人で食べていいぜ?量そんなに多くねーし大丈夫だろ?」
ししっ、といつものように笑ってみせるベルフェゴールに、「おい、余計な真似するんじゃねぇ」と、突然ザンザスが割って入った。
大した内容でもないのに食事の手を止めてまで話すなど珍しいこともあるもんだとスクアーロは不思議そうに主を見る。
「そんなんじゃないって、ボス。結局必要なかったのに呼んじゃったお詫びだからさー」適当に言葉を濁してもザンザスは怒らないとわかった上での行動。なんだかんだでボスはスクアーロの誕生日を一緒に過ごしたかったんだろうなとベルフェゴールは思った。
しばらく食事を楽しめるようにとレジで支払いをしながら店員に追加でドルチェや酒を頼み、店を後にした。食べ物があれば早々にいちゃつくことはないだろうという願いのような配慮も込めて。

「…あいつらせっかくのポーランド料理食べねーのかぁ!?」
状況が把握できていないスクアーロは二皿分のメインを目の前に呆れていた。
ひたすら振り回されたような気しかしない、という表情で義務的に鴨を切り分ける。
「ガキなりに気をつかったんだろ」
「支払いがかぁ?」
仕事での勘はいいくせにどうしてこういうところは鈍いのか。つくづく残念な男だ、とザンザスはため息をついた。
「……だからてめーはドカスなんだ」
頼んでいないはずのワインが出てきた時点で少しは悟るべきだろ、と思いながら、せめて自分くらいは部下の厚意を無駄にしないようにしようと肝に銘じた。


「ミーも鴨食べたかったですー」
フランはタクシーの中でそうこぼした。
「…オレだって食べたかったさ。」
美味そうだったしな、と窓の外を見ながらベルフェゴールも呟く。
メインの鴨のリンゴ添えは、数種類
の酒に付け込んだ若鶏に香辛料とポーランド産の酸味のあるリンゴを詰めてオーブンで焼いたものだ。材料は金をかければ手に入らないこともないが、郷土料理は現地で食べた方が安くあがるし美味しいに決まっている。今頃二人で舌鼓を打っているに違いない。
「ミー、空気を読んで黙ってたんですよー?久しぶりにこんな我慢しましたー」
店出るのメインの後でよかったんじゃないですかー?とほのめかしながらわざとらしく首をかしげて見せると、「てめーは面倒臭いやりとりをオレに任せて逃げただけだろーが」と容赦なくナイフが飛んでくる。
ミーはまだ若いのでお腹すいてるだけですー、と棒読みで拗ねたふりをすると、「おい見ろよフラン」と明るい声でベルフェゴールが話しかけた。
「シュタディオン・ミエイスキだぜ!」
「…EURO2012ですかー?」
欧州サッカー連盟が主催する四年に一度の欧州選手権、通称EURO。今年の6月に開催されるそれはポーランドと隣国ウクライナとの共催で行われる。ベルフェゴールが指差すポズナンのシュタディオン・ミエイスキはポーランド国内の4会場のうちのひとつだ。
「そ。ここじゃたった三試合しかやんねーけどな。」
「その三試合のうち二つはイタリアの試合ですよね確か」
「C組は前回優勝のスペインと同じグループだからめんどくせーよなー」
A組に入りたかった…と嘆くベルフェゴールに目もくれず、「サッカーもいいですけど、ミーはEURO2012開催中にここでやってる聖ヨハネ祭が見たいですー」と先ほどの意趣返しのようにフランは話題を一転させる。
「あー…ランタン飛ばすやつな」
夏至の夜に数千のランタンを空に飛ばす幻想的な儀式が有名だったな、と考えながら、ベルフェゴールは話題が変わった事を気にするそぶりもなく答えた。
「自分で作り出す幻術と本物の幻想的な雰囲気の差ってやつを埋めたいんですよねー。」
「へぇー、珍しく謙虚じゃん」
「先輩と違ってミーはいつでも謙虚ですー。でも幻術ってのは自分が一番って思ってないとやってられないんですよ。自信ないとすぐに見破られちゃいますしね。」
「ま、暇だったら来たらいんじゃね?」
「そうしますー」
間髪入れずにぶっきらぼうにそう答えて数十秒の沈黙の後、そういえば…と、思い出したように「ボス、ミーたちの選んだプレゼント喜んでくれるといいですねー」とフランは切り出した。
この国はロシアと並ぶウォッカの産地だ。追加の酒で二人ともかなりの酒量になっているに違いない。いつも飲んだくれているボスはともかく、スクアーロは酩酊しているだろう。そこから先がボスのお楽しみなのだ。
「もう誰へのプレゼントかわかったもんじゃねーけどな…」
帰り際店員に預けた袋の中にはフランとベルフェゴールからのプレゼントが入っている。中身は面白半分で買ったアダルトグッズだ。
「隊長に使うんだからいいんじゃないですかー?最新のグッズも買ってみましたし、それなりに楽しめると思いますよー」
同性愛とか厳しいのに毎年セックス博覧会とかやってる国なだけあって、品揃え良かったですねー!と恥じらいもなく言い放つフランの言葉を遮るように、「そうだな」とベルフェゴールは呟いた。
しばらく流れる夜景を眺めて小さなあくびをした後、「着いたら起こせよ」とだけ言って頭を窓ガラスにもたれかけて目を閉じる。

「……あんたも大概お人好しですねー」
ベルフェゴールが寝落ちる寸前、「Buon compleanno,Squalo.」と満足気に顔をほころばせて独り言を漏らしたのをフランは聞き逃さなかった。
ヴァリアー幹部たちの二十年近い付き合いに毒気を抜かれた新米幹部は、つられて口元が緩むのを止められなかった。



fin.


***
せっかく2012年なので…と思い、ポーランドの好きなもの詰め込んだらこうなりました。趣味に走ってすみません。


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