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Attention!!
R18です。以下の注意事項をよくお読みください。

「Elegy」は性的・倒錯的・グロテスクな内容を含むため、年齢制限を設定しています。
18歳未満の方、および高校生の方の閲覧はご遠慮下さいますようお願い申し上げます。

エロというよりはグロテスクだと思います。
18歳以上の方であっても上記のような内容が苦手な方にはお勧めしません。
気分が悪くなったりしても責任は取りかねますので、少しでも「ダメかも」と思った方は見ない方がよろしいかと思います。

大丈夫な方はどうぞ。





「や…ロシアさ……っ」
リトアニアの抗議の声は振り下ろされた鞭の音によって掻き消された。
両手を縛られているため、自らを庇うこリトもできない。治りかけてもさらに増やされ、癒える事のない傷痕。
普段の激務に加え、ロシアの夜の相手までしているリトアニアは極限状態だった。
全てを犯され、奪われ、傷つけられ…いっその事、自我を放棄できたらどんなに楽になるだろうとリトリトアニアは何度も思った。なぜそれができずに耐えているのかもわからない。
思い出すのは懐かしい幼なじみの事ばかり。幸福な思い出は去った後に輝いて、今も忘れられない。
「…あぁっ!!」
突然傷だらけの背中を掻き毟られる。ただでさえ鞭による傷が背中の皮膚を食い破っているリトいうのに、リトアニアは歯を食い縛ってその仕打ちに耐えるしかなかった。
「こんな時に考え事?余裕だねリトアニア。」
それともこんなんじゃもう何も感じないの?ロシアは凍りついた笑顔でそう言うと、乱暴にリトアニアを床に叩き落した。
「…っ、あ……っ」
冷たい床に背中を打ち付けられ、激痛に耐えられずにリトアニアは声を上げる。いつの間にか手枷は外れていたが、だからといってこの状況から逃れられるはずもなかった。
「ぁ…いや…」
ロシアはそのまま倒れたリトアニアに馬乗りになり、自分の欲望を満たすためだけにリトアニアの身体を貪った。
ロシアの腕の中、リトアニアは何とかして本能的な恐怖から逃れようと身を捩るが、すぐに圧倒的な力に引き戻されるのだった。
「逃げちゃダメだよ、リトアニア。もっと酷くしたくなる…」
そう囁かれ、リトアニアは抵抗する気力を失くしたが、流れる涙を止めることはできなかった。中に押し入ったロシアのものがなじんで、苦痛とは異なる刺激をリトアニアに与える。
「っあ…あ、ん……」
無意識に艶っぽい声を上げ、ロシアを煽る。
「んんっ…」
唇を息も出来ないくらいに吸われ、リトアニアは悶絶する。部屋の空気は冷たく重いのに背中は熱く下半身はだるい。
もう自分の体じゃないみたいだ……こんな現実いらない。虚ろな瞳で天井を仰ぎながらリトアニアは思った。
ロシアは相変わらずリトアニアを苛む。叩かれたり首を絞められる事もよくあり、生きている方が不思議だとすら思える。
「リトアニアは本当にかわいいね…」
ロシアはリトアニアを愛おしそうに眺め、自身の動きを速めた。どうしようもなく残酷なこの主が快楽ばかりを与えてくれるはずがないこともリトアニアにはわかっていた。
わざとリトアニアの背中の傷痕に響くように大きく体を揺さぶられる。
「う、や…あぁっ…!!」
傷を抉られる痛み、恐怖と強制される快楽。それすらも心地よくなってきた頃、リトアニアは意識を手放した。



気がつくとリトアニアはロシアのベッドに寝かされていた。隣を見ると、そのベッドの主が寝息を立てている。

今は何時くらいだろう…もう起きないリトいけない時間だろうか。
そんな事を考えながらとりあえず起き上がろうとしたリトアニアの背中に突然激痛が襲う。リトアニアは思わず声を上げる。
「…どうしたの、リトアニア」
起こしてしまった、しまったなと思いながら、リトアニアは仕方なく作り笑いを浮かべて状況を説明する。
「あ、起こしちゃってすいません。あの…、背中の傷の血が…固まってシーツにくっついてしまって……」
そこまで言ってリトアニアは話すのを止めた。
このままシーツをベリベリと剥がされてしまうのだろうか。恐い。想像しただけでも体が震える。でも昨夜のロシアの様子ならそれも有り得るな、とリトアニアは覚悟を決めた。
「ああ、僕が仰向けに寝かせちゃったから…。このまま剥がしても良いけど、イヤだよね?誰か呼んでくるから、お湯でもかけながら剥がしてもらって。」
「…す、すみません。」
リトアニアにはそれだけ言うのがやっとだった。
血だらけなのはシーツだけじゃない。床や体もだ。
お湯をかけながら…って、それでも痛いよなぁ…。しかも傷だらけで全裸。こんな姿を誰かに見られなきゃならないんて…あまりにも自分が惨めで泣きたくなる。いっその事、目が覚めなければ良かったのにとリトアニアは思った。
ロシアは誰かを内線で呼び出した後、シャワーを浴びに行ってしまった。
リトアニアは静まり返ったロシアの部屋でロシアが呼び出した家人を待つしかなかった。



ロシアに呼び出されたのはリトアニアと同じバルト三国の一人であるエストニアだった。
エストニアは部屋の惨状を見るなり、絶句した。
「リトアニア、大丈夫?え…何これ。シーツにくっついて……あ、だからロシアさんお湯持って来いって言ってたのか…。」
「うん、ごめん…。背中だから自分じゃできなくて……」
申し訳なさそうに苦笑いをしながらリトアニアが答える。

エストニアは用意してきたお湯を少しずつかけながら凝固した血とシーツを分離させていく。リトアニアは無言でその痛みに耐えた。
「どうしてこんな酷い事…いくらロシアさんでも許せないよ!」
その痛々しい姿にエストニアは怒りを露にする。
エストニアの手が震える。今にもロシアさんに殴りかかって行きそうだ、とリトアニアは思った。
「オレは大丈夫だから。抑えて、エストニア。」
ゆっくりと諭すようにリトアニアは言った。
「ごめん…あ、傷の手当もしないと。シャワーはその傷じゃしみるから無理ですよね。…なら体も拭かなきゃ。」
てきぱきとエストニアは仕度を始める。
「…あ、傷の手当だけしてもらっていいかな。エストニアも朝の仕事あるでしょ?あとは自分でできるから大丈夫だよ。」
「…わかりました」
エストニアはリトアニアの心中を察し、傷の手当だけ済ませて部屋を後にした。


どうしてリトアニアはこんな状況で他人を思いやれるのだろう。自分ならあんな屈辱耐えられない。他人なんて構ってられないし、そんな状況になる前に相手を殺しているかもしれないのに。
でも何を言ってもリトアニアは哀しく微笑むだけだ。どうあがいたって自分にはリトアニアを救う術はない。結局、自分やラトビアが受ける何倍もの嫌がらせを寝る間もないくらいに受けているのはリトアニアなのだ。
主であるロシアはどうしてこんなにもリトアニアに固執するのだろう。あれも一種の愛の形なのだろうか…。
こんな歪んだ一方的な感情を押し付けられるリトアニアがいつか壊れてしまわないか、それだけがエストニアは心配だった。




エストニアが去ったロシアの部屋で、リトアニアは少し泣いた。エストニアの前では何とか耐えたが、やっぱりこんな姿を他人に見られるのは嫌だった。
でももし来たのがエストニアではなくラトビアだったら、今の自分の状況を全て形容され、さらに惨めな気持ちになっていたかもしれないな、とリトアニアは自虐的に笑った。


部屋の主が戻ってくる前に自分の部屋に戻って着替えなければと思い、リトアニアは足を床へ降ろした。
「…っ」
体内から溢れてきたものが足を伝う。紛れもなくそれは昨夜ロシアに陵辱された証。
いつもの事なのに、今日は何だかひどく憂鬱だ。エストニアに色々見られたからだろうか。いや、そんな事考えている暇はない。もう仕事はとっくに始まっている時間だ。
リトアニアは急いで自室に戻った。



エストニアやラトビアたちが朝食の仕度をしていると、身支度を整えたリトアニアがやってきた。
「おはようございます。」
「リトアニアさん、おはようございます。今日は遅かったですね。」
何も知らないラトビアは不思議そうに言う。いつも誰よりも早く働き始めているリトアニアが寝坊してきたのだから仕方がない。
「うん、ちょっとね…」
リトアニアはいつもの苦笑いでかわす。
そばでその様子を見ていたエストニアはその事について何も言えなかった。ラトビアは知らない方がいいとリトアニアが考えているのはわかる。それには同感だ。きっとあの傷痕を見たらラトビアはロシアさんの事を考えるだけで震えが止らなくなるだろうから。


朝食の支度が整い、何事もなかったかのようにロシアが朝食の席に着く。
「やあ、お早う。今日もよろしくね」
ロシアは一通りの挨拶をすると食事を始めた。その傍らでリトアニアは今日のスケジュールを涼しそうな顔で読み上げる。
「……以上です。何か質問はありますか?」
「特にないよ。ありがとう」
「では10時に部屋に伺います。」
「わかった」
ロシアはさっさリト朝食を終えるリト自室に戻って行った。


朝食の片付けをしながらエストニアはリトアニアの様子を窺っていた。
「ねえ、リトアニア。」
「何?」
「今日の外回りは僕とラトビアがロシアさんと一緒に行く事にしますので、リトアニアは休んだ方がいいんじゃ…」
「大丈夫だよ、これくらい。」
「でも顔色悪いし…」
「…たぶんロシアさんは許してくれないと思うよ。」
リトアニアは哀しそうに笑った。
「ならダメ元でも僕がロシアさんに頼んでみます。…あ、でもロシアさんの機嫌が悪くなっちゃったらすみません。」
「うん…ありがとう」
リトアニアはそう言うしかなかった。



「すみません…やっぱりダメでした。」
しばらくしてエストニアはロシアの部屋から戻ってきて言った。機嫌を損ねたらしく、その頬には薄っすらリト痣ができていた。
「ううん、オレのせいでごめん。頬…大丈夫?少し冷やそうか?」
リトアニアはロシアとどんなやりとりがあったかはあえて聞かない。エストニアが何か口にする前に氷を準備し、エストニアに渡した。
「でも僕も一緒に行く事になりましたので…重い荷物とか、何かあったら遠慮しないで言って下さい。」
「うん…ありがとう」
静かに目を伏せてリトアニアは言った。


その日の外回りは滞りなく済ませることができた。
夕方、ロシア一行が家に帰ってくると、ラトビアたちが忙しそうに出迎えてくれる。リトアニアたちはすぐに夕食の準備を始めなければならない。
リトアニアが台所で仕度をしていると、ラトビアがリトアニアを呼んだ。
「リトアニアさんいますかー?」
「ここにいるよ。何?」
「リトアニアさんに電話です。…ポーランドさんから」
ラトビアはリトアニアの姿を認めると、わざわざリトアニアのいる場所まで行き、そう耳打ちした。
「え…ポーランド?」
「大した用事じゃないみたいでしたけど…。取り次いだの僕なので、まだ誰も知りませんよ。早く行って下さい。」
リトアニアは急いで電話を取った。
「もしもし、換わりました。リトアニアです。」
周りを気にしてリトアニア事務的に話す。
「リト?オレオレ。元気なん?」
電話の向こうは相変わらずの調子の幼なじみがいた。
「まぁ、一応元気だけど…こんな所まで電話してきて、一体どうしたの?」
「いや、どうもせんけど。久しぶりにリトの声聞きたくなって電話してみたんよー。」
「取り次いでもらえないとは思わなかったの?ロシアさんにバレたら大変だよ!?」
「でもラトビアに取り次いでもらえたし。オレ運いいから大丈夫だし!」
「たまたまでしょ!もう…前もこういうの危ないからやめてって言ったのに。ロシアさんにバレても知らないからね!」
「リト最近オレと会ってないから、辛気臭くなってんかなーと思ってせっかく電話したのに、怒っとるん?」
「怒ってるとかそういうのじゃなくて…」
「あ、忘れとった。そういえばオレ来週そっちに行くんよー、何かの会議で急遽決まって。なぁ、リトそん時会えん?」
ポーランドはリトアニアの説教を無視して自分の話を進める。
「オレだって会いたいけど…まだ何とも言えないよ。ロシアさん中々休みなんてくれないし」
「そうなん?やっぱあいつリトに気があるんよ。気をつけんと。」
もう遅いよ、とは言えずにリトアニアは苦笑いをする。
「リト、また電話していい?」
「危ないよ、やめなよ」
「でもたまにはリトの声聞きたいし」
「…来週会えるかもしれないでしょ。」
「リトわかんないってさっき言ったし!じゃあ約束な。オレずっと待ってるし。」
「え?ちょっ、待ってよ。ポー!!」
ポーランドは待ち合わせ場所と時間を一方的に言って電話を切った。
もう、勝手なんだから…遅れて行っても、会えなくても文句を言われるに違いない。
それにポーランドはああいう性格だから本当に何時間でも待ってるかもしれない。…オレもダメ元でロシアさんに休みがもらえるよう頼んでみようかな。
幼なじみの声をきいただけなのに、少しだけリトアニアの気持ちは明るくなって台所に戻った。


「あ、どうでした?リトアニアさん」
「ん…来週こっち来るって。会えるかはわかんないけど。」
「そうなんですかー」
ラトビアはそう答えて持ち場に戻った。
リトアニアの把握しているロシアのスケジュールではポーランドが関係する予定は入っていない。これから急遽申し込むのだろうか。もしそうなら話ができなくても同じ会場で会えるかもしれない。
でもあまり期待はしない方がいいことはわかっていた。ポーランドとすんなり会わせてくれるなんてサービス主にはないのだから。



さすがにあんな目に遭って二日連続では呼び出されないだろうと思っていたのに、リトアニアは休む暇もなくその晩もロシアの部屋に呼び出された。
一体今日は何をされるのだろう。仰向けに寝るだけでも痛くて仕方がないのに。考えるだけで憂鬱になる。
待たせるリト機嫌が悪くなるので、リトアニアは急いで身支度を済ませて主の部屋へ向かう。
「失礼します。」
ノックをして返事があったのでゆっくりと入室する。入ったらもうどんな目に遭っても逃げられない。本当は今にも逃げ出したい気持ちを抑えて、リトアニアは主の前に歩みを進めるのだった。


「今日ポーランドから電話があったよね?リトアニア。」
開口一番に幼なじみの名を出される。そのロシアの冷たい微笑にリトアニアは何も言えずに慄いた。どこでバレたのかという疑問が頭の中を駆け巡る。
「親子電話だから聞こえるんだよ。」
リトアニアの考えを察し、ロシアが答えた。
どうしてそういう連絡を僕にくれないのかなぁ、と呟く。
ここでは誰から・いつ・どういう電話があったのかはメモなどに残しておかねばならない。
「あの…」
リトアニアがすみません、と言おうとした時ロシアがそれを遮った。
「取り次いだのはラトビアだよね?ここに来て随分経つのに未だに業務をこなせないなんて、お仕置きしないといけないよね、リトアニア。」
「…っ」
「…ホント、君は色んな人に慕われてるね。今日だってエストニアは昨夜の事で文句を言いに来るし、ラトビアは余計な気をきかせてポーランドからの電話を内緒で君に取り次ぐ。そしてポーランドは危険を冒してまで君にくだらない電話をかけてくるし」
リトアニアの表情が険しくなるのを楽しみながら、ロシアはリトアニアの耳元でささやいた。
…ああ、わかっていたのだ。彼等が自分を気遣う事は、主にとっては面白くない事なのだと。必ずその優しさはロシアの怒りという反比例した内容でリトアニアに還ってくる。
「ホンリト皆バカだよね。リトアニアを気遣えば気遣う程、裏目にでるっていうのに」
そう言いながらロシアはリトアニアの顎を人差し指で掬い、唇を奪った。
「ぅあ……んっ…」
「どうしようか、リトアニア。君が代わりに皆の罰を受けてくれる?」
そう言いながら笑って両手をリトアニアの首にかけ、その力を少しずつ強める。
「う…」
リトアニアは恐怖で震えていたが、抵抗はしなかった。目を閉じ、主のなすがままにされる。ロシアは容赦なく両手に力を入れリトアニアの様子を楽しむが、最後にはその手を緩めるのだった。
開放されたリトアニアは床に座り込み、首周りを押えて苦しそうに息を整える。
「殺しはしないよ。リトアニアは優秀だからね…失うのは勿体無いし。」
ロシアはそう言うと、リトアニアの腕を掴み無理矢理立たせた。感覚を取り戻しきっていない体を奮い立たせてリトアニアがよろよろと立ち上がると、そのままベッドへ押し倒す。
「……っあ…」
背中に激痛が走る。ロシアは乱暴にリトアニアの衣服を剥ぎ取ると、リトアニアをうつ伏せに寝かせ、背中の傷痕に触れた。
「あ……やっ…」
リトアニアが体を硬直させる。その緊張感を保たせるため、ロシアはゆっくりと傷を指でなぞった。
「痛々しいね。このまま掻き毟ってあげようか。それともまた鞭がいい?」
「…っ」
リトアニアは何も言えずに静かに涙を流す。
そんなリトアニアを見てロシアはくすりと笑った。
「ウソだよ。今夜は自重してあげる。…ノーマルでいいよね。」
ロシアはそう言うと再びリトアニアを起こして唇を奪った。そして今度は仰向けに押し倒し、体中を愛撫しはじめた。
「う…あ、…んっ…」
その行為は昨夜のそれに比べたら別人のように優しかった。それがリトアニアを余計混乱させる。
…こんな快楽認めたくない。こんなに優しくされるくらいなら、昨夜のように強引にあしらわれる方がまだマシだ。
リトアニアは悔しさで涙が止らない。
「ん…ふっ…う、ぁ…」
しかし体は素直にロシアの愛撫に反応してしまう。
ロシアは執拗にリトアニアを快楽へ導く。しばらく耐えていたリトアニアだったが、自分で止められないあえぎ声にもう自棄になって、最後は理性を捨てる事を選んだ。
「っ、あぁ……ロシアさ…もっと…」
リトアニアはロシアの肩に手を回し、自らその快楽を追求するよう動く。
「……リトアニア」
目論み通りに事が進んで満足したのか、ロシアはしばらくリトアニアの媚態を眺めていた。ロシアの冷静な態度は、自分一人だけが熱くなっているような錯覚をリトアニアに持たせ、羞恥心を煽る。
「ロシアさ…も…ダメ……あ、あぁっ!!」
リトアニアが限界を訴える最後の最後にロシアはリトアニアの望むものを与えた。


一通り行為が終わると、珍しくリトアニアは自室に戻って良いと言われた。怪訝な表情でロシアを見る。
「何?不満があるの?」
「いえ…何でもありません。失礼しました。」
「安心していいよ、ラトビアリトエストニアの件はなかった事にしてあげる」
「…ありがとうございます」
リトアニアはいつものように作り笑いで答える。
「それとね、来週休みをあげるよ。三日くらいゆっくりしてくるといい」
「いえ、そんなには…」
リトアニアは最初から期待していないらしく、業務的に答える。
「僕がせっかく気まぐれで言ってるんだからきいた方がいいと思うけどなあ」
「…わかりました、では休ませてもらいます。」
含みのある言い方をするので、リトアニアは了承の言葉を口にした。
リトアニアが服を整えて部屋を出ようとすると、ロシアがまた呼び止めた。リトアニアが振り返るとロシアは優しく微笑んで言った。
「リトアニア、忘れないで。君は誰と会おうと世界では『ソビエトのリトアニア』なんだよ?」
それは「ソビエトのリトアニア」でいる限り、リトアニアが何をしようとロシアにとっては痛くも痒くもないという事。逆に、外でロシアに恥をかかせるような行動は慎めと遠まわしに言っているのだ。
それでもリトアニアはなぜか少し嬉しかった。ロシアに認められ、信用されているという事が。


「あの…ロシアさん、お願いがあります」
思わずリトアニアは口を開く。
「…何かな?」
「今夜はこのままこの部屋で寝かせて下さい」
「……リトアニア?」
「オレが…ここにいたいんです……」
ロシアはその願いに笑顔で答えると、再びその腕にリトアニアを迎え入れた。



   fin.

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