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Attention!!
「Egocentrism」は性的・暴力的な表現や倫理に反する内容が含まれるため、年齢制限を設定しています。
そのため18歳未満の方、および高校生の方の閲覧はご遠慮下さいますようお願い申し上げます。

18歳以上の方であっても、暴力や性的表現が苦手な方、リバ要素を受け付けない方には閲覧をお勧めしません。
気分が悪くなったりしても責任は取りかねますので、少しでも「ダメかも」と思った方は見ない方がよろしいかと思います。


露立・波立前提の露波で、非常に倒錯的です。

上記の内容にご理解いただき、心身共に18歳以上で、どんな展開にも耐えられそうな方のみ自己責任でお楽しみ下さい。

大丈夫な方はどうぞ。





「ねえ、君いい加減にしてよ。」
そう言ってロシアは呆れながら冷たい眼差しをポーランドに向けた。
「お前こそいい加減にしろだし!オレの言っとる事解っとるんやったらさっさと済ませればいい事やん?何もそんなに怒ることなくね?」
軽くたたかれた頬を押さえながら、それでもなおポーランドは挑戦的な態度を変えない。
ロシアがそんな態度を問題にしていない事や、本気でたたいたわけではないこともポーランドにはわかっていた。
「僕だって忙しいの!君みたいにアポも取らないで図々しく家に押し入ってくるような人他にはいないよ!少しは礼儀ってものを考えたらどうなの?」
「…アポなしでもお前の部屋にこうしてこれるんやから、オレって特別なんやろ?」
な?とポーランドは執務室の机に腰掛け、いぶかしげに見つめるロシアを覗き込みながら笑ってみせた。
彼特有の不敵な笑は昔から変わらないな、とロシアは思った。
このやりとりは彼らの形式的なものにすぎない。お互いのプライドを保ちながら事に及ぶにはこうするしかないのだ。だからポーランドはロシアの怒りが頂点に達するまで挑発するしかない。
「リトアニアは今も君の世話をしているの?かわいそうに。僕の家にいた頃の方が楽だっただろうね!」
話題に詰まってリトアニアの話をするとポーランドは必ず食いついてくる。ロシアはそれをあまり面白くないと思いつつも、ベッドへ押し倒すまでの過程として妥協していた。
「…リトはオレといる方が幸せに決まっとるし」
ロシアの言葉にポーランドは感情的にはならずに冷静な口調で答えた。その自信に満ちた態度がロシアをたきつけることを計算済みのポーランドは、ゆっくりと体を傾けロシアの口を塞いだ。ポーランドの挑発行為に結局は乗るつもりのロシアだったが、面白そうだったのでしばらく彼の好きにさせることにした。
ポーランドは気の済むまでロシアの唇を堪能すると、「ついこの間も意識がなくなるまでオレを抱いたくせに、リトの話ばかりするんやね」と、早く自分の要求を呑むように含ませながら耳元で囁いた。
無造作にかき上げられた金の髪が揺れるのを目の前で眺めながらロシアは小さくため息をつく。それが情事開始の合図だった。
「…君ってワンパターンだよね」
ロシアはそう言ってポーランドの肩に手を回すと抱きかかえるように引き寄せた。これ以上彼の好きにさせても時間の無駄だろうと判断して仕方なくポーランドに応えることにしたのだ。ポーランドが身を委ねつつ目を細めて笑うのをロシアは見逃さなかった。



「…っ、は…ぁ……」
ポーランドの足を抱え込むように腰を高く持ち上げて、ロシアは一気に最奥まで貫いた。ほんの一瞬息を飲んだだけで、大した抵抗もなくその身体はロシアを受け入れた。
わずかに眉根を寄せてゆっくりと目を見開くポーランドは、恥ずかしがるそぶりもなく、これから得られるはずの快感を思い描いているように見えた。羞恥心を煽ろうとロシアが身体を激しくゆさぶってみても、室内に響く水音は彼には聞こえていないようだった。
「ホントさっきまでの態度と全然違うよね。君って二重人格なの?」
高飛車な態度が打って変ったように大人しくなる様子を見て、ロシアは呆れながらたずねる。誘ってきたのはむこうなので抗われるのは不本意だが、意のままになるのも物足りない。まともな返答を期待するだけ無駄だと知りながら、それでもほんの少しの抵抗が欲しくて悪態をついてみる。
「…るさいし…っ。…んな事いいから…もっと……っあ…」
朦朧とする意識の中、答えになっていないと理解しつつも、欲望に忠実な言葉しか出てこない自身をポーランドはもどかしく感じた。
とにかく全てを忘れて快楽だけを求めたい。それがポーランドの来訪の目的である事はロシアも承知していたが、彼の心を占めているのが自分ではない事を面白くないと思っていた。確かに抱いているのにその体温さえ感じられないような気がして無意識にその首に手をかける。
「っう……」
突然気道を圧迫され、ポーランドは低く呻いた。その苦痛をどう訴えたところで簡単に止めてはくれないとわかっていたが、本能的にロシアの手首に自分の手を重ねてもがく。
それでも頭の片隅に浮ぶ幼なじみの顔は鮮明で、薄れる視界とどちらが現実なのかわからなくなりそうなほどだった。
リトアニアの気持ちなんて一生理解できないだろう。汲み取ってやることはできてもそれは共有にはならない。こんな風にロシアに抱かれてみても幼なじみの身に起こったことの追体験にもならない。ただ、乱暴に抱かれている時に感じる痛みの中で起こる、恍惚とした感覚がどうしようもなくくせになるだけだ。
誰かを抱く時の集中力や達した後の快楽とは異なるその感覚が今も幼なじみを支配しているのかもしれないと思うと、ポーランドは目の前にいるロシアがどうしても許せなかった。そしてそんな快楽に溺れている自分自身も最低だと思った。
ぼんやりとそんな事を考えていると、いつの間にか逆らう気力も失せていて、ポーランドはそれまで抵抗を試みていた腕でロシアを抱き寄せた。その行動に彼がひどく驚いているようだったので、ポーランドがうつろに微笑んでみせると、力を込められていた手は簡単に緩められた。


「オレがお前を抱いたってええんよ。でもオレはお前を満足させるのもめんどくさいから抱かれてやっとるだけだし。」
うっすらと首筋に残る痕をさすりながら、やっと呼吸が整い始めたばかりのポーランドはひとり言のようにそう言うと枕に顔を埋めた。
「…君ってホントわがままだよね。付き合ってあげてるのは僕の方なのに。」
強がりにも聞こえるポーランドの本音をロシアは軽く笑った。
隣でふてくされる彼はそんな風に言われるのは心外だという口調で、「お前だって自分のエゴの為にオレを好きにしとるくせに。」と声を荒げた。
「そこはお互い様でしょう?少しのメリットもなかったら君と会ってこうするわけないじゃない」
ポーランドのうなじにそっとキスを落としてそのまま後ろから抱きついてみる。
「…オレ別にお前の事大嫌いってわけじゃないし」
目が合っていれば決して出てこないようなその言葉はロシアにとって青天の霹靂だった。
「ふぅん…」
ポーランドの顎を掬って無理矢理こちらを向かせると、ロシアはその瞳を覗き込んだ。ポーランドの目の中に映る自分の姿を確かめたいという衝動に駆られた。
「何するんよ…!」
忌々しげに見上げたその眼差しの先に、穏やかな表情のロシアが映る。
「何でそんな泣きそうな顔しとるん?…ホントお前ってバカだし」
怒りをそがれたポーランドは、仕方なく宥めるように両手をロシアの肩に伸ばす。
心の痛みとは別の、苦しさと温かさをどちらともなく感じていた。



   fin.

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