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「あ、ポーランド!それあとから食べようと思ってとっておいたのに~。」
世界会議の昼食の席でリトアニアの隣に座っていたポーランドが当たり前のようにリトアニアのおかずに手を出す。
「リトが食べないと思って食べてやったんだしー」
おかずを口に入れるまでにその手を止める時間はあったのに、最初から抗議なんかきくつもりがなかったポーランドはそれをあっという間にたいらげてしまう。リトアニアがそれくらいでキレることのない性格だからこんなに傍若無人に振舞えるのだと、ポーランドもわかってやっていることだ。
リトアニアは気付いていないが、二人のいちゃつきっぷりに呆れる周囲の視線の中には明らかに嫉妬に近い苛立ちを覚えているロシアやアメリカの視線があった。彼らの難儀なところは、空気を読まないポーランドの態度は今更なのでそれを咎めない代わりにリトアニアを問い詰める傾向があることだ。

彼らはさっそく昼食が終わってリトアニアに詰め寄る。
「ねえリトアニア、最近君とポーランドって以前にも増して仲良くなったよね?」
「え、そうですか?」
「そうだよ。君ちょっとポーランドに甘くない?皆の前であんな風に振り回されて国として恥かしくないの?」
「え、ロシアさん、あれ見てたんですか?恥かしいなぁ…でもポーランドも自分のおかずオレにくれましたし」
「あれは彼が嫌いなおかずを君にあげただけでしょ!」
「ポーランドにはあれが精一杯の愛情表現なんですよ。オレがおかずとられてちょっと悲しそうな顔してるだけで軽い罪悪感に駆られて『じゃあオレのおかずをあげてやるし!』って。そういうのってかわいくないですか?」
リトアニアはロシアのいやみに全く気付かず、照れながら話す。
「君って…」
「オレだってリトアニアのおかずが食べたいんだぞ!ポーランドなんかにあげてないでオレにくれよ。」
呆れるロシアの横からアメリカが割り込む。
「え、おかずって…昼食の内容は皆一緒じゃないですか。」
「君からもらうおかずは違うんだぞ!」
自身たっぷりにアメリカは答える。その横でロシアもアメリカの意見に頷いている。
「違うって何が…」
リトアニアが苦笑いしながら困っていると、ポーランドが物凄い勢いでやってきてアメリカたちの前に立ちはだかった。ロシアとアメリカに絡まれているリトアニアを見つけて駆けつけたらしい。
「リトをいじめんなだしー!」
「いじめてないよ、注意してるんだよ。君に甘過ぎるって。」
ロシアがイライラしながら反論する。
「リトがオレに甘いのはいつものことだし、それで当然なんだし!それってお前らに口出しされるようなことじゃなくね?オレとリトの邪魔すんなだし~。」
ポーランドも負けずに言い返す。
「ポー…」
助けに来てくれたポーランドにときめくような態度を見せるリトアニア。今にもロシアのコルコルが発動しそうな空気が漂う。
「リトを困らせていいのはオレだけだし!!」
そのポーランドの言葉にロシアとアメリカはキレる寸前だったが、思わぬポーランドよりも凄い勢いで仲裁が入った。
突然ロシアとアメリカの頬に平手打ちが入る。一瞬何が起こったのか周囲の誰も理解できなかった。それを行ったのは普段は温厚で通っている日本その人だった。
「いい加減にして下さい!もうすぐ会議が再開します。それにあなたがたは何も解かっていません!!」
アメリカたちはきょとんと日本を見つめる。
「日本…何も解かってないってどういうことだい?」
「萌えについてです!!!」
アメリカがやっとそれだけ口にすると、日本は待ってましたとばかりに語り出す。
「昼食時のやりとりといい、今あなた方に絡まれている時の相手に対する答え方といい、リトアニアさんたちはどう見ても『萌え』ですよ!外見年齢19歳男子が周りの目も気にせず公の場でいちゃついているのです。それを咎めるなんて……私の家なら極刑に処せられますよ(一部の人に)!!」
日本の語りはまだまだ続きそうだったが、ロシアが話を止めて可愛く謝り、真っ先にその場を逃れた。アメリカも戦意を喪失したらしく、不自然に時計を見たりしてリトアニアたちから遠ざかっていった。

アメリカたちに逃げられて、萌え文化について語り足りない日本は大いに嘆いたが、それ以上に何が起こったのか把握しきれていないリトアニアたちの姿は周囲の同情を寄せた。
「日本さん、あの…」
リトアニアが耐えかねて声をかける。
「何でしょう?」
「あ、すみません。色々ありがとうございました。」
「いえ、礼には及びませんよ。私が勝手に首を突っ込んだ事ですし。あ、そろそろ会議が再開しますね。では私はこれで。」
言いたいことだけ端的に告げると日本は会議場へ戻っていった。

「一体何だったんだろう…今の。」
ロシアさんたちもよくわからなかったけど、あの二人に何のためらいもなく平手打ちできる日本さんってすごい。「萌え」ってそんなにいいの?っていうかオレとポーランドが「萌え」ってどういうこと?
リトアニアが色々と思考を巡らせていると、隣にいるポーランドは「さあ?どうでもいいしー」と生返事をする。

「っていうかリト、もう行く時間らしいしー。オレらも戻らん?」
ポーランドがリトアニアの服を引っ張る。リトアニアはそのまま自分の腕に巻きつく身勝手な幼なじみを優しく見下ろすと、笑をこぼした。ポーランドはそんなリトアニアに満更でもない様子で、目を細めて応える。
「…じゃあ戻ろうか。」
リトアニアはポーランドを抱きしめるとその額に軽く口づけをした。
ポーランドは屈託のない顔をほころばせながら、そんなリトアニアに手を引かれて会議場へ戻るのだった。



   fin.


***
キリ番2424hitを踏まれました白さまよりリクエストの「かなり仲のよい波&立」。
甘いのは下手なので、こんなカンジになりましたがよろしいでしょうか…。っていうかリトもポーもあまり喋ってないですね…。

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