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寝苦しい程暑いというわけでもないある秋の夜、ポーランドは複雑な表情を浮かべて起きていた。
「う、ぁ…っ」
はぁはぁと途切れ途切れに息をつく幼なじみが隣でうなされている。それは聞いているこっちが苦しくなるくらいだ。
ポーランドはどうしたらいいのか戸惑い、ちらちらと隣に目をやるが、結局何もできないままだった。
彼を苛んでいる原因はわかっている。かつての彼の主、ロシアのせいだ。
解放されても終わることのない悪夢。
幼なじみは背中の傷痕よりもさらに深い傷痕をその心に負っているのだろう。
そう考えると腸が煮えくり返る。
リトをこんなに追い詰めるなんて…ロシアの奴、殺してやりたい!!オレの、リトを。
そこまで思って、ふっとポーランドは自嘲の笑をもらした。
オレの、か…。まだ体さえ手に入っとらんし。心もまだあいつのものかもしれんのに…。
悔しい。こんなに近くにいるのに何も手に入れられないなんて。
リト、早くオレに気付いて。あんなやつの事なんてすぐに忘れさせてやるし。
「ん…ポー?」
不意に名前を呼ばれてポーランドは一瞬動揺した。
「どうしたのポーランド、眠れないの?」
「……」
ポーランドは、誰のせいだと思ってるんよ?と言おうとしたがやめた。
「ポーランド…泣いているの?大丈夫?」
幼なじみの手が優しくポーランドに触れる。
「…っ」
泣くつもりなどなかったのに、リトアニアにそう言われた途端、涙が溢れた。
「ポーランド、大丈夫だよ。オレ、ここにいるから。」
幼なじみはまだ半分夢の中にいるのか、幸せそうに笑う。
「…っ、…ト、リト…」どうして涙が止らないのかわからずに、ポーランドは最愛の人の名前をくり返し呼んだ。
「ポーランド…大丈夫だから。」
リトアニアは体を起こしてゆっくりとポーランドをその両腕に抱きしめる。
「…っ…」
抱きしめられたポーランドはそのまま無言で涙を流し続けた。
「…ポーランド?」
背中に回されたポーランドの腕が急にぎゅっと強くリトアニアを抱え込んだ。
「リト…オレ、……もっと強くなるし…。そしたら…また一緒に……」
「……ポー…」
それ以上は言葉を続けられずに、ポーランドはそのままリトアニアの胸に顔を埋めた。
リトアニアは何も言わずにしっかりと幼なじみを抱きしめる。
その腕の中で、失ったものなど何もなかったのだとポーランドは気付いた。
fin.
「う、ぁ…っ」
はぁはぁと途切れ途切れに息をつく幼なじみが隣でうなされている。それは聞いているこっちが苦しくなるくらいだ。
ポーランドはどうしたらいいのか戸惑い、ちらちらと隣に目をやるが、結局何もできないままだった。
彼を苛んでいる原因はわかっている。かつての彼の主、ロシアのせいだ。
解放されても終わることのない悪夢。
幼なじみは背中の傷痕よりもさらに深い傷痕をその心に負っているのだろう。
そう考えると腸が煮えくり返る。
リトをこんなに追い詰めるなんて…ロシアの奴、殺してやりたい!!オレの、リトを。
そこまで思って、ふっとポーランドは自嘲の笑をもらした。
オレの、か…。まだ体さえ手に入っとらんし。心もまだあいつのものかもしれんのに…。
悔しい。こんなに近くにいるのに何も手に入れられないなんて。
リト、早くオレに気付いて。あんなやつの事なんてすぐに忘れさせてやるし。
「ん…ポー?」
不意に名前を呼ばれてポーランドは一瞬動揺した。
「どうしたのポーランド、眠れないの?」
「……」
ポーランドは、誰のせいだと思ってるんよ?と言おうとしたがやめた。
「ポーランド…泣いているの?大丈夫?」
幼なじみの手が優しくポーランドに触れる。
「…っ」
泣くつもりなどなかったのに、リトアニアにそう言われた途端、涙が溢れた。
「ポーランド、大丈夫だよ。オレ、ここにいるから。」
幼なじみはまだ半分夢の中にいるのか、幸せそうに笑う。
「…っ、…ト、リト…」どうして涙が止らないのかわからずに、ポーランドは最愛の人の名前をくり返し呼んだ。
「ポーランド…大丈夫だから。」
リトアニアは体を起こしてゆっくりとポーランドをその両腕に抱きしめる。
「…っ…」
抱きしめられたポーランドはそのまま無言で涙を流し続けた。
「…ポーランド?」
背中に回されたポーランドの腕が急にぎゅっと強くリトアニアを抱え込んだ。
「リト…オレ、……もっと強くなるし…。そしたら…また一緒に……」
「……ポー…」
それ以上は言葉を続けられずに、ポーランドはそのままリトアニアの胸に顔を埋めた。
リトアニアは何も言わずにしっかりと幼なじみを抱きしめる。
その腕の中で、失ったものなど何もなかったのだとポーランドは気付いた。
fin.
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